コレステロールって、なんだろう??

コレステロール値が高いと診断され、初めてコレステロールとは何か考える方も少なくないかもしれません。

コレステロールゼロとうたわれている食品もありますが、コレステロールとはどのようなものなのでしょうか?



🥚コレステロールは脂質の一種🍴

身体の中には、中性脂肪、コレステロール、リン脂質、遊離脂肪酸と、4つの脂質が存在しています。体内のコレステロールは、肝臓などの臓器で作られるものが70~80%、食事由来のものが20~30%であると言われています。細胞膜や性ホルモン・副腎皮質ホルモン、ビタミンD、脂肪の消化吸収を助ける胆汁酸の材料となります。

2020年版 食事摂取基準では、脂質異常症の重症化予防の観点からは、200 mg/日未満に留めることが望ましいとされています。すでにコレステロール値が高い人、または高めの人は、なるべくコレステロールが多く含まれている食品を多く摂ることは避けた方がよいでしょう。

動物性脂肪(飽和脂肪酸)、マーガリンやショートニングなど(トランス脂肪酸)とそれらを原材料に使用したパン・洋菓子・スナック菓子などの摂り過ぎには注意しましょう。反対に、コレステロールを減らす働きがあると言われている不飽和脂肪酸食物繊維を積極的に摂取するとよいでしょう。



🥚HDLコレステロールとLDLコレステロール✏

肝臓などの臓器で作られたコレステロールは血液により全身に運ばれ、余分なコレステロールは再度肝臓へ戻ってきます。コレステロールは脂質のため、そのままの状態では血液に溶け込むことができません。そのため、たんぱく質に包まれて血液中を流れていきます。この状態をリポたんぱくと言い、大きさと重さで4種類に分かれます。

カイロミクロンと超低比重リポたんぱく(VLDL)は主に中性脂肪を運びます。低比重リポたんぱく(LDL)と高比重リポたんぱく(HDL)は主にコレステロールを運びます

この中に入っているコレステロールを、それぞれLDLコレステロール、HDLコレステロールと言います。

LDLコレステロールは肝臓などの臓器で作られたコレステロールを全身に運ぶ働きがあり、HDLコレステロールは血管壁などにたまった余分なコレステロールを回収し肝臓に戻す働きがあります。そのため、LDLコレステロールは悪玉コレステロール、HDLコレステロールは善玉コレステロールと呼ばれることもあります。

だからといってLDLコレステロールが不必要というわけではありません。

脂質異常症診断基準では、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪(トリグリセライド)、non-HDLコレステロールの値が定められています。non-HDLコレステロールは、総コレステロール-HDLコレステロールで求めることができます。

最近では、LDLコレステロールとHDLコレステロールをバランスよく保つことも重要視され、LH比(LDLコレステロール値÷HDLコレステロール値)が1.5以下を正常値として定めています。



【参考】

厚生労働省HP「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書-脂質-

https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586558.pdf 2020年9月13日アクセス)

厚生労働省HP e-ヘルスネット 脂質異常症

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-004.html 2020年9月13日アクセス)

一般社団法人 日本動脈硬化学会HP

http://www.j-athero.org/general/5_colqa.html 2020年9月13日アクセス)