災害、その時の対処法―地震編③その他―

引き続き、地震が起きた時の対処法です。

今回は外出時の場合です。

  • スーパー・コンビニ・デパート
  • 映画館、劇場などの館内
  • 電車
  • 街中

それぞれについて、ご紹介していきます。



◆スーパー・コンビニ・デパート

地震が起こるとこんな危険!

・商品が陳列棚から落下

・落下した商品が割れて飛散

・割れた商品の液体で滑って転倒

・落下した商品につまずいて転倒

・大型の商品や陳列棚が倒れてくる

・窓ガラスが割れて飛散(特にコンビニ)

・出口に人が殺到してパニックに


緊急地震速報が入った時は、陳列棚の間や大型の商品から離れましょう。コンビニの窓ガラスも割れて飛散すると大変危険です。とっさの時は、買い物カゴを被るとヘルメット代わりにできます。

非常口から脱出するときは、足元にも注意し、散乱した商品などで転倒しないように気を付けながら移動します。係員がいれば、指示に従うようにしましょう。



◆映画館、劇場などの館内

地震が起こるとこんな危険!

・天井などが落下する恐れ

・段差につまずいて転倒

・出口に人が殺到してパニックに


映画館や劇場など、柱が無く広い空間になっている場所は天井が落下する恐れがあります。落下物に備え、カバンなどで頭を守り、シートの間などに身を寄せつつ自身を守りましょう。すぐさま非常口へ向かうのはパニックを引き起こす原因になります。係員の指示に従い落ち着いた行動をしましょう。



◆駅

地震が起こるとこんな危険!

・パネル等が落下

・ホームに人が多いと押されて線路に落下

・揺れでバランスを崩して線路に落下

・出口に人が殺到してパニックに


駅の中で地震にあった場合、上からパネル等が落下することが考えられますので、頭を守るようにしましょう。特に人が多い時や線路近くにいる時は姿勢を低くするなどして線路に落下しないようにします。脱出の際は慌てて出入り口に殺到するとパニックに繋がります。必ず駅係員の指示に従うようにしましょう。



◆電車

地震が起こるとこんな危険!

電車が脱線、転倒する恐れ→大惨事に!

・満員電車内で倒れてしまうとすると下敷きに

・窓ガラスが割れて飛散

・網棚から物が落下

・出入口に人が殺到してパニックに

・勝手に線路に出て感電


電車は比較的安全な乗り物ではありますが、強い揺れにより脱線したり、横転してしまうと地獄絵図です。

まず、緊急事態速報が聞こえたら、すぐにつり革や手すりなどに両手でしっかりとつかまりましょう。福知山線脱線事故・事故調査報告書によると、脱線時に手すり等に捕まっていた人の方が骨折等の負傷リスクが低かったと報告されています。

立っていて一番安全な箇所は出入り口付近のスペースです。近くに手すりがあり、人が衝突してくるリスクが低いといえます。真ん中の座席に座っている場合は席から飛ばされないよう、踏ん張ります。こちらも事故調査報告書では、端っこの座席は手すりにつかまれるため、比較的飛ばされずに済んだみたいです。満員電車でつり革などにつかまれない時も進行方向を向いて倒れないように踏ん張りましょう。

立っていても座っていても、網棚からの荷物やガラスなどが落下する場合がありますので、姿勢を低くし、カバンなどで頭を守るようにしましょう。その後は係員や乗務員の指示に従い行動し、脱出します。

(航空・鉄道事故調査委員会HP 「福知山線脱線事故・事故調査報告書」2020年7月14日アクセス)https://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/railway/bunkatsu.html



◆街中

地震が起こるとこんな危険!

・ビルのガラス、マンションのベランダの荷物、家の瓦、看板などが落下

・自動販売機、ブロック塀などが倒れてくる

・建付けの悪い電柱や門が倒れてくる

・電柱から垂れた電線で感電

・マンホールが浮上して外れ、落下(場合によってはマンホールのフタが吹き飛ぶ)

・地面の亀裂に落下

・埋立地が液状化

・海辺だと津波が迫ってくる

・河川を津波が逆流する

・河川の土手が崩れる


繁華街やビル街で地震に遭遇した場合は、まず上を確認し落下物に備えましょうガラスは建物の高さの半分くらいの距離まで飛散する危険性があります。カバンなどで頭を守りながら広い場所まで避難しましょう。新しいビルであれば耐震性が高いことが期待できますので、落下物から身を守るためにビル内に避難しても良いでしょう。

ブロック塀や自動販売機といった危険な場所は近づかないようにしましょう。また、切れた電線が垂れ下がっていたら感電する恐れがありますので、こちらも近づかないようにしましょう。

津波が考えられる場合は、海辺から離れ高台に向かうようにします。河川も津波が遡って来てしまうため、近くにいるのは危険です。この場合は上流に向かうのではなく、まずは河川から直角に離れ、距離をとることを意識しましょう。

地下街は地上と比べて比較的揺れは小さいですが、落下物等には注意しなければなりません。壁や太い柱に身を寄せて、頭をカバンなどで守りましょう。揺れがおさまったら係員の指示に従って避難しましょう。

停電が起きても非常灯などがすぐにつきますので、落ち着いて行動するようにしましょう。

車で移動している時は少しずつスピードを落とし、交差点を避けて左側に寄せましょう。緊急車両を優先して通行させる必要があるため、無理に車で避難しないようにしましょう。

車を置いて避難するときは、エンジンを切り、エンジンキーをつけたままドアロックはせずに離れます。これは緊急車両が通行するときに、妨げになる場合は移動できるようにするためです。一度教習所等で習っているはずですので、いま一度確認しておきましょう。

今回ご紹介した危険はあくまでも一例になります。

起こり得る危険を想像すればする程、最悪の事態を考えておけばおく程、想定外のことが少しでも減りますので対処しやすくなります。日頃から「もしここで大地震が起こったら?」を気に留めてみてください。



【参考】

NPO法人 日本防災士機構(2018年)「防災士教本」

東京都(2015年)「東京防災」

マガジンハウス(2018年)「自衛隊防災BOOK 1」

マガジンハウス(2019年)「自衛隊防災BOOK 2」

主婦の友インフォス(2019年)「防災減災119」

日本経済新聞社(2019年)「警視庁災害対策課ツイッター 防災ヒント110」

NPO法人ママプラグ(2019年)「全災害対応!子連れ防災BOOK」

ゴマブックス 和田隆昌著(2006年)「大地震 死ぬ場所・生きる場所」

航空・鉄道事故調査委員会HP「福知山線脱線事故・事故調査報告書」(https://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/railway/bunkatsu.html 2020年7月14日アクセス)