身近な防災対策―災害が起こる前の備え・風水害編―

線状降水帯や台風などの風水害による災害は、台風などの風水害による災害は、平成30年7月豪雨、令和元年台風第19号、令和2年7月豪雨など、毎年のように発生しています。

地域も日本全国に渡り、私達にもっとも身近で危険な災害になるといっても過言ではありません。

今回は災害が発生する前の備えを中心に、ご紹介させていただきます。



◆風水害に備える

風水害は突然発生する地震と異なり、ある程度予想ができる災害です。天気予報などで「明日は激しい雨が予想される」などの報道は見たことがあるのではないでしょうか。

ここで大切なのは、どれだけの災害を予想するか、つまり情報の受け手の私達が「ただ聞くだけでなく、その情報をどう活かすのか」ということです。一人一人の知識と行動によって生死が分かれます。災害の大きさを予想するには避難情報などの情報収集が肝心というポイントはおさえておきましょう。


日常からの大雨の備え

住宅の備え

①浸水が想定される地域を特定する

②地名と地形から危険を知る

③家の浸水を予防する

④水から生活を守る

⑤家財を保全する

まず、自身の住んでいる場所がどのくらい範囲が浸水するのか、想定される水深はどのくらいかといった危険についてハザードマップ等を用いて確かめましょう。

また、古い地名や過去の地図などを調べることが水害の危険性を読み取る手掛かりになります。

灘、牛、沢、深、竜といった漢字が地名に入って入れば、その土地が過去に水害にあった可能性があります。

家は床を高くしたり、防水機能のある壁を設置すれば被害が軽減できます。


【対策例】

・敷地全体を高くするかさ上げ(盛り土)

・基礎を高くする高床

・防水性の塀で家を囲む

・防水性の外壁を設ける

・台所、トイレ、寝室など生活に欠かせない場所を2階に設置

・屋根に外への脱出口を設ける

・畳を2階にあげるために階段を広くする、踊り場を設ける

・精密電機製品、貴重品類など水に濡れると困るものを高いところに置く



日頃の備え

①家族で話し合いをする

②雨水排水溝の手入れを怠らない

③非常持出品を用意する

④水害体験を参考に

⑤地域で高齢者のサポートを

家族での話し合いは家族防災会議を参照。

玄関やベランダにある雨水の排水溝は一旦詰まると雨水が流れず、どんどん水が溜まってしまいます。日頃から手入れをしておくことが望ましいです。



台風などの強風対策

まずはテレビなどで台風情報を収集します。SNS等も非常に便利ですが、同時にデマも拡散している恐れがありますので、気象庁・行政関係や災害対策アプリなどの信頼できる情報源から取得するよう心がけてください。

植木鉢、物干し竿、ゴミ箱などは室内に入れたり、ロープなどで固定しましょう。また、物が飛んできて、窓ガラスが割れる恐れがありますので、雨戸やカーテンを閉めたり、段ボール等で窓を覆いましょう。段ボール等で覆うことで、割れた際の破片が部屋中に飛び散ることも防ぐことができます。

台風の場合は一時的に弱まったとしても、台風の目、吹き返しが考えられますので完全に過ぎ去るまでは警戒しておきましょう。



大雨対策

テレビなどで情報収集しつつ、リアルタイムの降雨情報や河川水位情報を確認しましょう。国土交通省のHPでは主要な河川の水位を監視する「河川カメラ」があります。

河川カメラは水位やリアルタイムの河川の状況を見ることができます。


事前に洪水ハザードマップでどの河川が氾濫した時の危険度を確認しておき、浸水の恐れがある場合は土のうや水のう、止水板を用意しておきましょう。

床上浸水の恐れがある場合は、大切なものを2階に移動しておきましょう。余裕があれば1階の畳を上げられるように準備します。水を含んだ畳は100kg以上にもなるといわれており、到底1人では運べません。ただ、急を要する場合は何よりも命を守ることが優先です。

1時間に20㎜以上の強い雨が降ると、側溝や下水、小さな川が激しい流れに変わり、水が溢れ、1時間に50㎜以上の非常に激しい雨が降ると、都市部で地表がコンクリートで覆われているような場所では地下室に水が流れ込んだり、マ ンホールから水が噴き出してフタが外れることがあるといわれています。

(気象庁「積乱雲に伴う激しい現象の住民周知に関するガイドライン(平成27年3月)」より)

大雨の予報がある時には、外の状況が見えない地下室には間違っても入らないでください

※大雨時の避難行動については別途詳細を紹介します。


最後に、学校や会社、スーパーや映画館など長時間滞在する場合は避難経路を確認する習慣をつけることも大切です。いつ災害が発生しても慌てずに行動できるよう、備えておきましょう。


【参考】

日本防災士機構(2018年)「防災士教本」

NPO法人ママプラグ(2019年)「全災害対応!子連れ防災BOOK」

気象庁HP「積乱雲に伴う激しい現象の住民周知に関するガイドライン(平成27年3月)」(http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/toppuu/cb_guideline.pdf 2020年6月24日アクセス)

国土交通省HP「川の防災情報」(https://www.river.go.jp/portal/#80 2020年6月22日アクセス)

国土交通省HP「水害対策を考える 4-1-5 地名は水害の履歴書」(https://www.mlit.go.jp/river/pamphlet_jirei/bousai/saigai/kiroku/suigai/suigai_4-1-5.html 2020年9月8日アクセス)