公衆衛生の歴史

‣公衆衛生のはじまり

今回の新型コロナウイルスの流行を受けて「公衆衛生」という言葉をよく耳にするようになりましたよね。

では公衆衛生の考え方はどこで生まれたのでしょうか。


産業革命のころ、イギリスでは急激な工業化で多くの労働者が都市に住むようになりました。

その頃はまだ下水設備やごみ処理場が整っておらず、コレラなどの伝染病が流行していました。

伝染病にかかる子どもも多く、半数が5歳まで生きられないような時代でした。


法律家のエドウィン・チャドウィックは、この事態をどうにかしようと調査にのりだしました。

近代的な公共住宅の必要性や新しい下水道の建設など生活環境の改善に力を入れていきます。

そして、「公衆衛生法」と「救貧法」を成立させたと同時に市民からも不潔追放運動が起こり、伝染病の大流行を食い止めることに成功しました。


この考え方が社会全体で公衆衛生に取り組むようになっていく土台となったのです。