検疫と疫学

‣検疫とは?

新型コロナウイルスの流行を受けて、多くのクルーズ船が「検疫」のために港でとめられるということが世界中で起きていますよね。その様子はTVで放映されていたので、見た方も多いと思います。

一般に、検疫の定義は「伝染病の広がりを防ぐため目的地に出入りするヒトや物を検査し必要な処置をとること」とされています。




‣検疫の語源は14世紀ヨーロッパ

みなさん、検疫(英語でquarantine)の語源を知っていますか?

これは14世紀にヨーロッパでペストが大流行したとき、感染を広げない対策としてイタリアでは海外からきた船を40日間は入港させなかったことから「40」というイタリア語「クワランテーナ(quarantena)」からきています。




‣疫学の父「ジョン・スノウ」による活動

1854年、ロンドンのブロードストリートでコレラ患者が大量に発生したとき医師のジョン・スノウは患者のなかで死んでしまった人数と場所を地図に書きこみました。

その分布から、多くの患者が出た地域と井戸の場所に関係があることを発見し、病気の原因となる井戸の場所を突き止めました。

そしてこの井戸は使用禁止となり、コレラ患者は大幅に減りました。


このように発生原因が何か分からなくても生活環境との関係から感染症を予防するという「防疫活動」を世界で初めて行ったことから、彼は「疫学の父」と呼ばれています。

驚いたことに、ジョン医師の防疫活動は実際にコレラ菌が発見される30年前の出来事なんですよ。