ニンジン

ニンジンの皮だと思って剥いている部分🥕

実は皮ではないことを知っていますか?

スーパーに並んでいるニンジンは、皮は洗い流された状態です。

そのため、剥かずに食べることができ、ほんの少しの時短になります。

今回は、毎日のように料理に使われる「ニンジン」について取り上げます。


さて、それでは問題です。

ニンジンの仲間(同じ科)の野菜(ハーブ)はどれでしょうか?


正解は?

ニンジンはセリ科の野菜。この中でセリ科の野菜は三つ葉です🍃

どちらも白い小さい花が咲きます。

セリ科の仲間には、その他にディルやパセリ、クミン、パクチー(香菜)などのハーブや香辛料、セロリや明日葉などの野菜があります。

どれも独特な香りのあるものばかりですね👃

ニラは以前までユリ科やネギ科に属していましたが、現在のAPG植物分類体系ではヒガンバナ科に分類されています。


それでは、ニンジンの栄養から見ていきましょう!

オレンジの色合いで料理を飾ることができる人参。苦手なお子様も多いかもしれませんが、緑黄色野菜の代表格でもあり、ビタミンB1、ビタミンB2、鉄、食物繊維など栄養たっぷりの野菜です。



🥕ニンジン(キャロット)が語源のカロテン👑

ニンジンにはカロテノイドという天然色素の一種である、β-カロテンが豊富に含まれています。人参のオレンジ色がこの色素です。

β-カロテンは強い抗酸化作用があります。活性酸素を除去、発生を抑制するため、生活習慣病を予防する働きがあります。

β-カロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変わるため、視力維持、眼病予防などが期待できます。他にも、粘膜や皮膚の健康維持、肌のシミ予備軍を減らす効果などが期待されています。

β-カロテンは油との相性が良いため、揚げ物や炒め物で吸収率をアップすることができます。また、生の人参より加熱調理した人参の方が吸収率は高くなります。芯部より外側の細胞には、より多くのβ-カロテンが含まれているため、洗ってそのまま使用しましょう。



🥕目の健康をサポート👀

カロテノイド色素の一種で抗酸化物質でもあるルテインも含まれ、視機能維持、加齢性黄斑変性症・白内障の予防が期待できます。ルテインはパソコンやスマホの画面から出るブルーライトを吸収して目を守る働きがあるという報告があります。このように、ルテインは内側から目を守る働きがあるため、「天然のサングラス」とも言われています。

体内で作ることができないため、現代人にとっては嬉しい栄養素の一つです。また、加齢とともに体内のルテイン量は減少していくため、より意識して摂取する必要があります。

続いて、おいしいニンジンの選び方についてご紹介します!



🥕 色よし!芯よし!形よし!

おいしいニンジンは…

①オレンジ色の濃いもの

②芯が小さく緑色に近いもの

③先が細くなっていないもの(京人参や金時人参以外)

④傷やひび割れがないもの

を選びましょう!

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1本のままのものは、新聞紙に包み冷蔵庫で立てて保存しましょう。葉付きのものは葉を切り落とし、別々に保存しましょう。切ったものは、ラップをして冷蔵庫で保存しましょう。

ニンジンを冷凍保存する際は、使用用途に応じてカットし、チャック付きポリ袋などに入れて保存しましょう。生のまま冷凍できますが、食感が悪くなってしまうので、すりおろしやみじん切りがよいでしょう。乱切りや千切りなどの冷凍は、一旦軽く茹でて冷凍した方が使用の際に時短にもなります。

イギリス チェスター大学のギレアム・ボンウィック氏がレザーヘッドフードリサーチと共に研究した論文では、生のまま3日間冷蔵保存したものと冷凍保存したものを比較すると、冷凍したものの方がβーカロテンは約2倍、ルテインは約3倍に増えるという研究結果が出ています。

腐ると表面がヌルヌルし、内部が溶けます。酸っぱくて臭いニオイやカビも発生します。

乾燥してシワシワになることもあります。

表面や先端のみ黒く変色している場合は食べることができます。その部分のみ厚く剥きましょう。また、一部分のみ柔らかくなっている場合は水分不足によるものなので、食べることができます。中身がスカスカにすが入った状態のものも食べることができますが、食感が悪くなっているため、スープやみじん切りにして料理に混ぜ込むとよいかもしれません。芯が固く、白くなっているトウがたった状態のものも食べることができますが、味が落ちているので、スープなどに使用しましょう。ひげ根や芽が出てきたものも食べることができますが、栄養素が奪われ味が落ちてしまうので、なるべく早く使い切りましょう。

【参考】

河原孝行(2014年)「APGに基づく植物の新しい分類体系」『森林遺伝育種』第3巻(http://www.fgtb.jp/pdf/2014/1m/FGTB_V3N1_commentary2.pdf

厚生労働省HP「e-ヘルスネット 緑黄色野菜」(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-037.html 2020年10月31日アクセス)

厚生労働省HP「e-ヘルスネット カロテノイド」(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-007.html 2020年10月31日アクセス)

稲熊隆博(2013年)「カロテノイド含有野菜のヒト健康への寄与およびその利用に関する研究」『日本食品科学工学会誌』 第 62 巻 第 6 号(https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/62/6/62_263/_pdf/-char/ja 2020年10月31日アクセス)

河口良子(2015年)「ルテインとその機能性」(https://www.jstage.jst.go.jp/article/vso/89/11/89_KJ00010091115/_pdf/-char/ja 2020年10月31日アクセス)

林麗如(2018年)「ルテイン含有抗酸化サプリメントの白内障進行抑制の可能性」『日本白内障学会誌』(https://www.jstage.jst.go.jp/article/cataract/30/1/30_10-002/_pdf/-char/ja 2020年10月31日アクセス)

University of Chester Environmental Quality and Food Safety Research Unit(2013),“ Antioxidants in Fresh and Frozen Fruit and Vegetables: Impact Study of Varying Storage Conditions.,”P34(https://bfff.co.uk/wp-content/uploads/2013/09/Leatherhead-Chester-Antioxidant-Reports-2013.pdf 2020年10月31日アクセス)

主婦の友社(2011年)「野菜まるごと大図鑑」

高橋書店(2009年)「もっとからだにおいしい野菜の便利帳」