ノロウイルス感染症

ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は年間を通して発生していますが、特に冬季に流行します。



特徴

▶症状

主な症状は吐き気、おう吐、下痢です。また、腹痛、頭痛、発熱、悪寒、筋痛、咽頭痛、倦怠感などを伴うこともあります。乳幼児や子どもだけでなく成人にも多くみられます。

また、ノロウイルスに感染したにもかかわらず発症しない(不顕性感染)こともあります。しかし無症状であっても便中にウイルスを排出し続ける場合があるので、無自覚のまま感染源となる場合あります。


▶合併症

下痢による脱水、おう吐物による窒息には注意が必要です。



治療と予防

▶治療

ノロウイルスの増殖を抑える薬剤はなく、整腸剤や痛み止めの服用など症状に応じた対症療法が中心となります。


▶予防

ワクチンはありませんので、手洗いなどの一般的な予防対策が大切です。二次感染を防ぐためにも、感染者との密接な接触やタオルの共有は避けましょう。ノロウイルスを不活化するためには、アルコール消毒では不十分です。調理器具や共有部分などの消毒には次亜塩素酸ナトリウムや亜塩素酸水などの塩素系消毒剤を用いて、適切なウイルス除去を行うことが感染予防に繋がります。ノロウイルス汚染のおそれのある二枚貝などの食品の場合は、中心温度85℃~90℃で90秒以上の加熱処理を行いましょう。



感染経路等

▶感染経路

下記のような、経口感染、飛沫感染、接触感染が主な感染経路です。

  • 感染者のおう吐物や排泄物などから人の手を介して感染する場合
  • 人同士の接触する機会が多いところで人から人への飛沫感染などで直接感染する場合
  • ノロウイルスに汚染された二枚貝を生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合
  • 感染者が調理を介して食品や水を汚染し、その汚染食品を飲食した場合

ノロウイルスの感染力は非常に強く、ごく少量のウイルスでも感染すると考えられています。

▶病原体

ノロウイルス


▶潜伏期間

1日~2日


▶注意事項

症状が治まった後もウイルスは便中に1週間以上排出されることもありますので注意してください。



【参考】

国立感染症研究所HP 「ノロウイルス感染症とは」

https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/452-norovirus-intro.html) 2020年10月5日アクセス

厚生労働省HP「ノロウイルスに関するQ&A」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html) 2020年10月5日アクセス