災害、その時の対処法―風水害・水害対策―

今回は「①大雨の前にするべきこと」と比べて、切迫した状態での備えについてのお話です。

豪雨時に対しての知識や情報を習得する「豪雨時の備え」「ゲリラ豪雨の備え」「竜巻の備え」がの3つに分けてご紹介します。



◆豪雨時の備え

①気象情報に注意する

②インターネットを活用する

③迅速に避難する

④屋外での危険を避ける

⑤運転での危険を避ける

風水害はある程度予測ができる災害です。台風や大雨の予報があれば、気象情報をこまめにチェックし、未然に対策しておくことが望ましいです。特に、避難する場合は浸水前に行うことが原則です。水深が膝下を超えると、大人でも歩いて進むことが困難です。

移動しなければならない時は、単独行動は厳禁です。フタがはずれたマンホールや側溝に転落しないように注意しながら、ロープでお互いの体を結んだり、棒を使用して足元を確かめながら進むようにしましょう。



<排水溝逆流に遭遇したら?>

長時間の大雨などの影響により、浴室やトイレから排水が逆流する「排水溝逆流」が起こる場合があります。大抵は天気が良くなると収まりますので、可能ならば入浴や洗濯などは雨が止むまで控えるようにしましょう。

対策としては、水のうやラップで一時的に塞ぐことで逆流を防ぎます。



◆大雨時に危険な場所!

・河川

・用水路

・斜面

河川や用水路は水かさが増し、斜面は土砂崩れや地滑りの危険性があります。

大雨の予報の時は近づかないようにしましょう。

車で避難するときは、タイヤの半分が水没してしまう高さなら止めておきましょう。水没すると身動きが取れなくなり、大変に危険です。車体の半分以上が水没しエンジンが停止しても、パワーウインドウが開きそうなら、窓から車の背中側へ脱出が可能です。

水没した後の車は感電やショートして火事になるおそれがありますので、しっかりとディーラーに点検してもらってから運転しましょう。


電車で避難するときは、地下よりも地上の方が安全です。地下にいると外の状況が把握しづらい上、一気に浸水するおそれがあります。また、水圧でドアが開かなくなることもありますので、いつも以上に天気予報には注意しておきましょう。

浸水した地下から避難するときはエレベーターが止まる恐れがありますので、安全な階段で地上へ脱出することが望ましいです。



◆ゲリラ豪雨に備える

通常の大雨対策と異なり、予報が困難とされています。気象庁のHPでは、ゲリラ豪雨(局所的大雨)の前兆現象を以下のように挙げています。

・真っ黒い雲が近づき、周囲が急に暗くなる

・雷鳴が聞こえたり、雷光がみえたりする

・ヒヤッとした冷たい風が吹き出す

・大粒の雨やひょうが降りだす

ゲリラ豪雨の影響を受けやすい河原や親水公園、アンダーパスや周囲より低い道路では特に気を付けましょう。



◆竜巻に備える

こちらも局所的豪雨と同じ積乱雲による災害になりますので、同じような前兆現象が見られます。屋外の場合は頑丈な建物に移動しましょう。車庫や物置、プレハブは巻き上げられる恐れがあります。


屋内の場合は雨戸・シャッター・カーテンなどを閉め、窓やドア、外壁から離れましょう。家の最下階や家の中心部に近い窓のない部屋に移動します。部屋では隅から離れ、頑丈な机の下に入り両腕で頭と首を守りましょう。


気象庁では提供するレーダー・ナウキャスト(降水・雷・竜巻)として情報提供しています。あらかじめ情報を確認し、大雨・雷・竜巻(突風)が予想される場合はむやみに外出しないようにしましょう。



【参考】

気象庁HP 「レーダー・ナウキャスト(降水・雷・竜巻)」(https://www.jma.go.jp/jp/radnowc/ 2020年6月24日アクセス)

NPO法人 日本防災士機構(2018年)「防災士教本」

東京都(2015年)「東京防災」

マガジンハウス(2019年)「自衛隊防災BOOK 2」

主婦の友インフォス(2019年)「防災減災119」