6月7日「世界食品安全の日」

世界食品安全の日(フードセーフティーディ)って知っていますか?


「持続可能な開発目標(SDGs)」 の達成のために、2018年12月20日に国際連合が毎年6月7日を 「世界食品安全の日 (Word Food Safety Day,WFSD) 」と定めました。


私達は普段から安全な食品を過不足なく食べることができますが、世界では毎年6億人が汚染された食品を食べた後に病気になり、42万人が亡くなられていると推定されています。5歳以下の子供でみても、毎年12万5千人が亡くなられています。

日本の人口は1億2590万人(総務省統計局HP、令和2年5月1日現在(概算値))ですから、非常に多くの方が食品の安全性が担保できず、病気になられていることが分かりますね。


北海道大学の西浦教授の記者会見で「人と人との接触を8割減らさないと、日本で約42万人が新型コロナで死亡する」とコメントされ、メディアを賑わしましたが、これと同じ数の方が毎年害のある食品が原因で亡くなられているのです。



食品に存在する危害は大抵目で見てわかるものではありません。そのため日本をはじめとする先進国にとって「食品安全(フードセーフティー)」の重要性は当たり前のように思われていますが、実際にはまだまだ人類全体には行き届いていないのです。


では、「WFSD」に私達一人一人ができることは一体何でしょうか?


まずは「食品安全」について知り、周りに広めていくことです。

「WFSD」の参加は、SNS等で言葉を拡散するだけでもできます。厚生労働省HPでは日本語訳したガイドが掲載されていますので、是非一度ご覧ください。

※パンフレットクリックでWHOのHPへ飛びます!


さて、「食品安全」といえば、一次生産者から加工・製造者、輸送業者から小売り・販売者の事業者といったサプライチェーン全体の取り組みが思い浮かびます。

日本も2020年6月1日に新しい食品衛生法が施行され、「HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point,ハサップと呼ばれることが多い)」の取り組みによって、より一層の食品安全を確保しようとしています。


ただ、どんなに安全を確保された食品であっても、


「記載された保存方法で保管をしなかった」

「肉を切った包丁で野菜を切り、サラダを作って食べた」

「栄養面を気にせずに好きな物ばかり食べた」


といった、最終的な消費者である私たちの取り扱いによって安全ではなくなってしまうことがあります。また安全に食べたとしても、栄養バランスが偏ってしまえば病気の原因になってしまいます。

「食品安全」のために、まずは正しい食品衛生の知識を情報として取得し、栄養バランスを考えた食生活を過ごすことが大切です。



最後に、WFSDのキーメッセージにこんな言葉があります。

“There is no food security without food safety.”

Food Security(フードセキュリティー、食品安全保障)は「健康かつ活発な生活を維持するため、安全かつ栄養価の高い食品を人々がいつでも入手できるようにし、食品の安全を確保すること」(厚労省・農水省「食品防御対策ガイドライン(平成25年度改定版)より」を意味します。

つまり「食品安全」の先に「食品安全の保障」があり、安全な食品が世の中に流通しなければ、飢餓を解決することはできないのです。


SDGsでは「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。」という目標が設定されています。

その一方で、世界には7億9500万人の方が満足に食事できず、栄養失調に陥っております。(WHO、World Health Day 2015 Food Safetyより)

冒頭でも述べましたが、私達は安全な食品を過不足なく食べることができます。満足に食事のできない7億9500万人に比べて、なんて恵まれていることと思いませんか?



“Food safety, everyone’s business.”

一人一人の取り組みは小さくても、できることはあります。

その第一歩として「WFSD」に参加してお祝いしましょう!




参考:WHO HP

   FAO HP

   厚生労働省HP

   総務省統計局HP